<1196>「正確な抱擁に向けて」

 あなたの正確な眼差しが順序よく揺れている、

 ここはしばらくほうけたようになる、

 仰天する、

 鳴っている、、

 正確な抱擁に向けてもう走り出している、

 現在は呆れるほど直接的な質感であった、

 後で確かめるのに、いくらも残ら‐ず‐のを感じ、

 辺り一帯ほうけていた、

 身体が徐々に曇り、おそろしく泣いていた、

 一切響きでありますよう、

 一切自然な時間でありますように、

 

 泣き枯れてそこにある、

 からころからころと寂しい音(ね)を立てて、

 走っているのは私の過去だ、

 すぐ速さの振りをしていたものだ、、

 全くひとつひとつの動きは騒がしいものだと思ったが、

 どうか、

 身体を貼り合わせて大きな声で跳ねる、

 私が愉快であるみたいに、

 時折粒や粒が絡まって隆起するよ、

 どうだろう、、

 一斉に音(ね)を立てているのだろうか、

 だらんとした身体に涙がかかる、

 

 ここでしばらく震えていて、

 単純な運動量を映している、

 俺はとっくに吹き散った、

 だからか信じられない軽さをしている、

 記憶に対してそれに見合わない軽さを表現している、

 どうだろう、

 この辺りの時間はひんやりとしていた、

 真正面からそれを見ていた、

 何か小さい声が聞こえていた、

 

 そうしたら一度渡してくれませんか、

 きっと ほそい、ほそいものの方が良いですが、、

 何か渡すものがあればいいのですが、

 相変わらずあなたのリズムに沿って勝手に浮かんでいるような心地で、

 きっと見ていた、

 きっと見ていたと思う、、

 ありたけのものをここに置く、

 というのは少し恥ずかしいので、、

 少し微笑んでいます、

 しかしこの静かな時間のことはどう伝わったのでしょう、

 日々の手ざわりというものはどう変わったのでしょうか、

 まるで違う身振りをいくつか持っていて、

 とびとびに移動していく隙間に、

 熱で形という形もなく どろどろにとけてしまっているものに対して、

 あなたとともに指を差すでしょう、

 そうして何を見、 どこを移ろうでしょうか、

 勝手なことで、

 ひとひのなかにこんなことを放り込みましたけれども。