追うだけの朝ではなく。
ためらいだけがまた朝なのでもなく。
数限りのない仕草の上へ、ひとり寝そべる。
まだらになっているままで小さな記憶のそばへ浮かび、
どこを向けたらよいかも分からない。
ふたひ。 転んでいる朝。
目が覚めてはそこここに淀み。
忘れ得ない。
身体が湿る。
晴天と、新しい声のなかに居て。
ゆるめた声のなかに居て。
ひとしきりやらぐ。
おそらくは遠い、遠いはたらきを見て、姿を移すように、
めまえに静かな人がうつるように、
あるいは感覚の後ろにいつまでもひとつ、名が残るように。
感覚は晴れている。
ズドラーストヴィチェ、
わたしにとってはこれでも朝である。
時々夜を見て、そのまま帰る。
もぬけの殻になり、そばにあり、
そのまま、
分からないもののたとえになる・・・