<642>「流れるよ、流れるよ」

 当たり前が少々を追いかけている。あた、当たり前が、少々を、追いかけること知らず(当たり前でしょう?)。ハナっから、なんだか、頭っから、なんとか、伺いたいよと澄ました顔が、私の、前から、徐々に、徐々にまたイメージへと還っていく。薄さ、残る風景は薄さ。なにがなんでも、溶けていたいよ届けることなんでもとろけていたいよ、うなあなたの話、

「あなただね、あなたがまた、頭なんだね」

なくなく、なくしたかどうか知らず(分かる前でしょう?)。ありたけの、ありたけのあくび、記憶と記憶を入れかえる(よね?)。撫でて、混ぜてみせてくれると、ばかりあら溜め息は並ぶやら、なにやら、やさしかったよそうだよ。音もなく、身体わたしの元ではバラバラ、そばから、

「流れるよ、流れるよ」

とだけ。その掛け声に、つられてまたひとつの。