<484>「生まれまた生まれ」

 剥がしてはまた剥がし、生まれては生まれ、生まれることにためらいがないのを見て感心するでなし笑うでなし、どうもこの度は動きが良くなったと思いませんかウームどうでしょう確かにそう言われれば動くようにもなったと思いますが、こっちで動きやすかったりあっちで動きにくかったりするんで、実感としては、少し動きにくいということになるかとは思います。

 動きにくい状態から、少しく動きにくい状態へと移ることには、確かな満足感がありませんで、まあそれでいいと思いますというか、それに慣れなければならないということが分かります。これは何回言い聞かせてもいいことだとは思いますが、つまり知らぬ間に、動きにくくない状態それから動きやすい状態へと移っていて、

「あれ、いつの間にこんなことになったのかしら?」

となっていることが理想だと思います。それにしても随分と長い年月をかけてごまかしの治しを繰り返してきたものですから、それに対抗していくと思ったら、確かに時間がかかるのも当然ではありましょう。むしろ、早いくらいだと思わなければいけませんね。