<338>「市街になりそこねた風」

 街角になりそくねた風、その夕べ、にれーっとした道を見渡すと、あれ、感情満載の行進が、左へ寄り右へ寄り、飽きることなく両の手を・・・。目には甲乙つけ難い力。夢の先まで後戻りし、無警戒、堂々巡りの回転扉に優しい挨拶を託し、息せき切ってゆく。諸々のほつれをただに見る訳にもいかず、けろっとして、けろっとして、偶然通るシティ、シティ通りの角まで埋める不健康な大群が、大体のところでいずれかの歌を歌ってゆく。朗らかさまでが真似されなくともよいのだ。そこで二頭の馬を呼び、有名になる角を曲がる。引き返すほどに状態はよくなったのだ・・・。