遊び足りない

 「遊び足りない」

と思うとき、それは純粋に時間の無さを嘆いている場合もあれば、自身の遊ぶ能力の至らなさを嘆いている場合もある。

 遊びの内容、用意された時間に対して、本当はもっと遊び切れるはずだという悔しさが込み上げたとき、

「遊び足りない」

という言葉が口をついて出ている。

 もしかしたら、

「遊び足りない」

という呟きは、大抵その、

「遊び切れていない」

という悔恨の方から主に出発しているのかもしれない。対して、時間が限られているということは自明のことだから。