自分の中の・・・

 近頃はそうでもないんですが、私はいわゆる、「オカマ」の人達や「女装」をしている人達に対して、なんと言いますか、ある種の嫌悪感および気持ち悪さというものを感じていました。そんなことを何で思うんだ、失礼じゃないかと思う人もいるかもしれませんが、それは下のページでも書いたように、

 

文句を言っちゃいけないしんどさ ~感情は理屈ではない~ - そうだろうね、いやどうでしょう

 気持ち悪いというのは「感情」ですから、感じてしまっている以上はどうしようもないんですね。(でも、わざわざ言う必要ないじゃないかって? ごもっともです 笑)

 それで、自分から「感情は理屈ではない」と言っておきながらなんですが、

「何故、嫌悪感ならびに気持ち悪さを覚えるのか」

ということを無理やり分析してみたんです。

 そうすると、まずとりあえず「ミスマッチ」が主な原因の一つだということが分かりました。つまり、

「格好なり身なりと、その人の見た目および声色が合っていない」

ということです。

「女性の格好をしているのに、骨格が男性である」

であるとか、

「女性の格好をしているのに、響いてくるのは男性の声だ」

ということですね。

 しかし、どうもこの「ミスマッチ」だけで嫌悪感が発生している訳ではないようで(まあそもそも、感情というのは曖昧ですから、無理やり分析を開始しているところにそもそもの無理があるのですが)、またまた、う~ん、と無理くりに考えてみると、どうやら、自分に訴えてくるものがあるかららしいという所に辿り着きました。どういうことかというと、

「自分の中に、女性の部分があるということに気づかされる」

ということです。

 気づかされたのなら、教えてもらえた形になって良かったじゃないかとなるところなんですが、どうもそういう訳にはいかない。何故と言うに、

「男でありたい」

という思いが自分の中に強くあるからです。それは、生来備わっている性別としての「男」ではなく、社会的役割としての「男」でありたいと、悲しいかな、願ってしまっているんですね。ですが、社会的役割としての「男」というのは幻想で、皆が無理して作り上げている訳ですから本質的なものではない訳です。男性にしても女性にしても、「100%」男であったり女であったりするわけではなく、誰もが両方の精神性を内に持っている訳です。

 ただ、社会を成立させるために(もっと言えば「種の保存」をし続けていくために)

、そういう両面を持ち合わせていることは見ないようにしている。そこへきて、「オカマ」の人達や「女装」をしている人達が、こういった共同幻想を軽く飛び越えていくから、反射的に「嫌悪」を感じてしまう。「女性性を呼び起こさないでくれ」という反発がある訳です。

 しかし、これは非常に情けないことです。幻想は本質ではありませんから、そんな幻想捨ててしまえば良いんです。でも未だに私は幻想の方を向いています。つまり「嫌悪」が抜けきらないんです。

 ですけれども、冒頭で少し触れたように、「嫌悪」の程度というのは薄らいできてはいます。

 自分の中の「女性性」を受容できるようになるといいんですが・・・