<656>「素直、」

 関心は関心で破れいで、立つとはなしに立つ私。身体を、もっともっとと急き立てて、の後押し。欠け落ちたのは、視点なるほどと、並ぶ声。

 どこかに戻るのでなく、反応が素直に出で、衒わないのだけならば。

「衒わないの?」

素直に出て来すぎだから考えたら、という笑み、いや苦笑いと、

「あっ」

と取る私、あっというポジション。守られて、いや見逃せば、平然と見逃せば良かった、などなどの考えとともにある間、興味という興味が移って移って仕方ない。

 今日誰だろう? まなかから、怖いと判定するひととき。それでなお、関係が、あるのかないのか分からないままで歩き出していることへの、照れ笑い。

「何笑ってやがんだろね」

まででひとセット。