<172>「ずれて、」

 まるで同じことを言っている。内容に少しくの差はあれど、また同じことを考えているし、また同じ通路を進んでいる・・・と思うのだが、ほんの少し前のことでさえ、もう何と言っているのか分からない。こんなにも変わってしまうのだろうか。同じことを言おうと思ってもまるで言えない、とすれば毎日同じことを考えて書いていればいいのではないか、極端だが。繰り返すとはそういうことなのかもしれない。つまり繰り返そうと思っても同じようには出来ないことの確認と、ズレと、それぞれで。純粋に身体的なものだから、同じ状態という、ブレない何か、みたいなものが神話なのだ。