<102>「移動の無体重」

 飛翔する鳥を見て、自身と混ぜ合わせることはない、ああなれたらと思うようなことも、あまりない。しかし、浮遊を受け取り、何かしらの離脱を受け取る、そういうことはあるのではないか、自信に溢れていなくとも、自信に後押しされているような力強さで、枯れ枝の固さ、ポキッと折れてもそれは枝であることをやめない、せっつかれて行動するようなことがあってはならないが、せっつかれるようなことも必要だ、楊枝の軽さ、折り曲げて台座を作り、場所を占める線、暖められたら自然に一枚外す、そういったモーション、どうしよう、行動を始める一歩に何の重さもないこと、決意すらない、何でなのかは分からないんですと衒いもなく言うこと、静かなステップで、誰も挑発しない凍結、凍えている人が、温度を気にしないなめらかさ、どうしたって形を失う、色、汗、その他大勢の霧、霞んでいたら見えないと、いやそのままを描出し、快晴ではあり得なくともよい。