<17>「どんな変化も」

 新鮮な驚きを保っていたい、なんて言うだろう? まあ、別に願いとしては悪くないけどね、私はもう驚かないよ。今まであまりに大きく驚きすぎてきたと言った方がいいかもしれない(しかし不思議だね。驚かずに過ぎてきたことも、振り返ってみると驚かずにはいられないようなことばかりだよ)。

 何か、長々と続くような顔をしていたのに、パッとその姿を消してしまい、気づくと、違う場所に連れ去られていた、なんてことがしょっちゅうだと、もう次の瞬間にどこにいようが驚かないようになるよ。驚かない、あるいは驚きつつも理解し出すとそれが行動力として表れてくるようになるのかもしれないね。だから、どこまでもどこへでも移って行くし、明日からまた全然違うことをやっていても、完全に理解してしまうと思う。それは理解と呼べるものではないのかもしれないけどね。でもやっぱり、最初の場所から一歩も動いていないような気もするよ。最初の場所と今の場所、異なるところはないはずだけれど、間にやたらいろいろなこと(その中には、私と繋がりがあるとは思えないものも沢山ある)が挟まっていて、そのことにひどく驚いたりはするよ。