生き生きとし続ける

 枯れる方ではなく溢れる方を、暗がりでなく光を、静やかさでなく賑やかさを、そちらばかりを「本来」だとし、そうでないものは本当でない、好ましくないと捉える。生き生きとし続けるのが理想だという気味悪さ。

 死の表情を含まないものは自然ではない、不自然だ。顔にかかる影におそれをなすのは分かるとして、それを本当ではない、あるべき状態ではないと考えるのは傲慢だろう。そもそも、本当の状態とは何か。どの状態も本当で、そこに差はないのではないか。

 生き生きとし続ける不自然な状態の維持に自信を持ち、そういう在り方でない人を、

「生きていない」

と断罪して優位に立ったつもりでいる人間の、考えの狭さ、いやらしさ。