分けの程度

 例えば、1日に水を2リットル飲むと決めたとする。ここで、2リットル容器に入った水を思い描く、あるいは実際に用意してしまうと、

「こりゃ無理だ」

という気持ちが起こってきてしまう。時間の充て方にしても、2リットルを早く飲まなきゃと焦って、1時間くらいで全部飲み干そうと思ってしまえば、

「どうもしんどいぞ」

となってくる。

 ただ、容量を10で割り、時間も10時間くらいはかけることにすると、どうだろう? 1時間毎で200ミリリットル飲むのを、計10回だ。これなら、

「何だ、大したことないな」

と思えてくる。

 しかし、ここで割り過ぎるのもまた、意識を起こさねばならない回数が増えるので面倒だ。だから、負担にならない程度に量を割り、かつ、意識を起こす面倒が増え過ぎないように、回数の増加を制限したら良い。

 また、飲むにあたっての姿勢も重要で、

「2リットルを飲み干す」

というよりは、

「必要に応じて、少しずつ水分を足す」

という姿勢でいる方が良い。飲んでやろうと意気込むと、水を飲むことが意識に強く上り過ぎるので、飲むのがどうしてもしんどくなる。そうではなくて、

「おそらく人間は、1日に2リットル程度の水はどうせ必要としているのだから、喉の渇きに際して随時水を含むだけのことだ」

と考えていくと、ほぼ苦痛は無い。