風邪には、なるべく気がつかないように

 ここのところ、日中は暑くて、夜は冷えるという天気が続いた所為か(本当は天気の所為ではなく、自分が夜、腹を出して寝ていただけである)、やや鼻水が出たり、喉がイガイガしたりと、風邪のような症状が身体に出てくる、というようなことになってしまっていた。

 ここで、風邪をこじらせたくなかった私は、

「バカは風邪をひかない」

という言葉を思い出し、

「そうか、風邪を悪化させたくなかったら、バカになってしまえば良いんだ!」

と考えるに至った。

 バカになるといっても、特別派手に何かをやらかした訳ではない。ただただ、自身が今、風邪気味であるという事実を忘れてしまうよう、それに気がつかないように努めてきただけである。

 しかしまあ、たったそれだけのことでも、どうにか風邪は悪化せずに済んでしまった。案外、バカになって風邪を忘れるというのも、馬鹿には出来なさそうだ。