<685>「あ、真面目だ」

 例えば小さな音、で済むと考え出したものが段々に膨らんできたり、して。どうすれば良い、というような感覚を思い切り外に投げ出してみたり、して。形と形、の在りかをひたすらうかがわれた、後で、これはとことん戯れですという運動の中心に真面目さが開いている。

 では、何をもって真面目とするのかを考えてみる?

「あら、随分と真面目な提案ね」

はっ、としたきり、しばらく皆黙ってしまう。そういった時間の流れのなかのいちいちでぼんやりしていて、呼ばれると、実に的確な意見を吐く奴がいたがこいつはふざけている。ふざけるための下準備、いや、もう始まっているといっても良いのかもしれないが、一応の答えが必要とされたとき、的確なものを提出するというのが実はふざけるときには一番大切になるのかもしれない。それで、あからさまにふざけていることを感じ取った人は何か文句を言いたいのだが、ちゃんとしたことを言っているのでどうしようもない、というところだ。