<383>「ある日の波頭」

 あいにく、それは雨であり、適当に解かれるまま、背中を駈け、ひとりの暮らしを形作る。愛し、それは港を発する。暗い視線また視線、ピタ、ピタ、ピタ・・・。それは、非常な憎らしさ。何も言わずに絡まった。集めても、集めてもまだ足らない。誰か居たのかどうか、探りを入れる素振りまた素振り。簡単に拘束してみて、してみている。夢を工作に似せ、厳格なルールが好き。そこに雲を並べ、どうかすると、もう少し感情不足で、やや広い壁また壁、音という音が、そう。