<321>「謂れ無き高評価」

 謂れ無い好評価に耐えられなかったのではないか。むろん、好評価自体は心地良いし、嬉しい。しかし、である。私が選択したのでなかったもの(選択できないもの)、運によったもの、環境がもたらしてくれたもの、努力と見えて実はたまたまであったもの、そういったものの力によって評価を受けて嬉しくなるその背後で、その謂れ無さに何とも言えない苦さを覚える。居たたまれないというか、他のどんな場所にいるときよりも強く、逃げ出したいと思う。

 悪い評価、低評価ならば、ただ憤っていればいい。そんなの全然平気だというフリをしていればいい。別にいいんだけれど、でも何か納得いかないなあと思っていればいい。様々に反応のしようがある。しかし、謂れ無き好評価は・・・。どうしたらいいのだ、逃げるしかないではないか。

 謂れ無き好評価の最たるものは何か。私はそこから逃げ続けてきた・・・。