緑色で、嘘の季節だ。
緑色で、濃く、むせる、嘘の季節を好いている。
男の服も、交わりも、姿勢も、全てが緑色で、途方に暮れていて、繰り返して、テクノが好きで、静かだ。
人口の川が流れる先に、家があって、
緑色の自転車に乗り、
日々を全て身体に付けてしまって、
黙して、黙して、座る。
時折黄色く変態して、
あなたを揺すぶる。
笛、笛、素通り。
来て、回り、座る。
まっすぐに引いた線の、あるいはゼッケンの、白。
ふたつの水車、ひとの秘密の下で回る。
路地、それから緑。
転倒、それから高揚、常緑広葉樹、淫ら、
発す、発す、発す、
吸う吸う、ほ。
男の無遊行。
香りと全身の服。
とめどのない汗、汗、緑色の記号。
撫でていく、撫でていく。
あくまで道に計算を挟み、秘密を回し、湿潤な妄想に襲われたままで、
緑色の男はゴールを切る。
瞬間、日々が、本が、冷めない水が映り、着ているものが重くなる。
さりとて裸は恥ずかしい。
裸という尋常でない時間を持っていた。
緑色の服は息を吸う。
ぼくだけ湿潤をしている。
ぼくだけ湿潤をしていて、
話す声の遠のく。
男はこの場でだけ言葉を下ろしていた。
静かに、緑色と、象徴の両方んなって、
華やぐ。
片付けを始める。
片付けを始めることと、また流れ出すことの両方。
本当の季節と嘘の季節の両方。
気持ちの抜けた顔と過集中の両方。
瀬戸際と、あんのんの・・・
それも同じ日とするために。
男のまたがる、緑色の日と同じにするために。
ゆく、ひらく。
わずかに流れる・・・。