関係の決まらない、曖昧な、ついても離れても良いような状態がずっと続くことを望んでも、その時間、混沌とした時間が長くなればなるほど、決定しろという要請が、どこからともなくやってくる。
「決定しないとダメでしょうか?」
「意気地がない」
決まらない、という状態に留まることが難しい、留まる力がないだけなんじゃ、と思っても、決定というのは問答無用でやってくる。
「決定しないといけないのでしょうか」
「ハッキリしない」
決定することが良いことである、決定しないことは悪いことであるという判断に反省を欠いて、決定の要請は、状態の錯雑を嫌ってやってくる。
「決定をしろ」
「そんな息苦しいところへはとても居られませんの・・・」