結論って・・・要らないんじゃないか?

 自分の書いたものを読んでいても、人の論考を辿っていても、結論のところに来ると、何か、とってつけたような、無理やり拵えたような感じを受けることがある。

 特に、哲学的な、答えの出ない問題について書かれている場合、その思考の過程を辿っているときなどは、非常に興奮を覚えたり、刺激を受けたりもするのに、ひとたび結論のところへ来ると、途端に、興醒めな感じにさせられるようなことが、よくある。

 だから、私は、

「それじゃあ、論が完成しないじゃないか」

と言われてしまうかもしれないが、答えの出ない問題については、無理やり結論を拵えることを辞めたら良いんじゃないかというように思っている。

 別に、結論なんて要らないのではないか。書かれているものを、順番通りに辿っていけば、もうその過程自体から、結論に近しい何かを感じ取ることが出来るし、結論なぞなくとも、その過程を見せてくれるだけで、こちら側は充分に刺激を受けることが出来るのだ。