2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧
まだ、幾つと数えるのも早いような子どもを連れて、親たちがひとところに集まっていた。無関心だったり、他のことに夢中だったりして一向こちらを見る素振りのない子らをよそに、満面の笑みを作って、大人たちがこちらに向いていた。作った割にはぎこちなさ…
全くそうだ、と共感する。はずだ同じ悩みを持っていれば。それがどうだろう。悩みが私のものとそっくりになってくればくるほど、いよいよ、ああという共感から遠ざかっていくような感覚に陥る。 これは他人の話だ、他人の嘆きだ。そういう思いは、吐露された…
ひとつの人生、まあその場合、 「ひとつ」 が何を指すのかも分からないが、私が私以外になり得ないということで、一旦は納得がいく。 では、一度きり、一度きりはどうか。ひとつと区別がつけにくいが、ひとつである私の人生は一度きりか、どうも違うような気…
不自然な暗さかもしれなかった。眼の玉を失い、真暗が後頭部の辺りまで通過している感覚。意識も雑念も、存在を根こそぎ奪われ、位置という位置を失った。 意識は、光なのではないか。場所の知覚。それがなければ、意識はないのでは・・・。より確かなはずの…
何かを想って憂鬱になることもそりゃあるだろうが、純粋な憂鬱、つまりは憂鬱のための憂鬱というものがあるので、あまり、 「何故憂鬱になっているのか」 が見つからないときに、無理やり探すのは良くない。何かを想っての憂鬱ならば、すぐにそれが見つかる…