<3034>「悲しみの底に手を着けながら」

 私はきちんと、

 悲しみの底に手を着けながら、

 生きる喜びを語っていたいのだ、、

 そこから手が遊離して、

 喜びだけを語っても、、

 私にはもの足りない、

 生きていることがもの足りない、、

 悲しみとさびしさと、

 よろこびがひとつの風のなかで、

 私を踊らせるような、、

 そういう生のさなかに、

 あたしは身体を、

 自分の身体を、用意していたい、、

 

 お前は順番に、

 いろいろなところから、

 汗をかいているほかない、、

 本当に辿り着くとは思わなかった場所に、

 徐々に辿り着こうとしているのは、

 緊張することです、、

 私はいつも叫び出したい、、

 でも叫び出しそうになると、

 なぜか静かに外界を見つめる、

 ひとりの時間が来ます、、

 私は次の瞬間、

 どこにいるのか分からない、、

 あなたはすぐに熱を容れます、

 この、

 生まれたばかりのからだのなかに、

 熱のすべてを、

 招待します、、

 よろこんで踊りましょう、、

 訳が分からなくなりましょう、、

 からだを触っていましょう、、

 からだは、

 諸方面から来る、、

 ものごとを招んでいる、

 招んで、

 招ばれたものはからだの網、

 順にかかり、

 順に油で溶けていく、、

 

 どこからこの生命は来て、

 油を経て、

 身体に畳み込まれたのだ、、

 お前がする、

 その生命のうねり、

 生命の味はなんだ、、

 からだがする、

 はじまりの匂いは、なんだ、、

 どこから嗅がれる、、

 あなたが捨てようとしたり、

 あなたが閉じようとしたりする、

 その運動のなかに、

 何度も日が還ってくること、

 そのことに、

 いつも驚いていること・・・