だんだんに

 打開した感覚は嘘だったのか。いや、嘘ではない。確かに毎度、感じてはいるのだ。ただ、ひとつひとつの打開は、振り返ってみれば、さほど大したことではなかったという、そういうことなのかもしれない。

 だんだんと、我慢がならなくなってくる。誰も何にも悪くなくても、近いのはもとより、長く一緒にいることに我慢ならなくなってくる。もう、私のことは捨てておいておくれ。そんなに構わないでくれ。

 寂しくないんじゃない。その方法が寂しさを解消する訳ではないということだ。ひとりで生きて死んでいきますなんて、そのうち心が死ぬよと言われた。しかしそれはひとりでいるか否かには関係の無いこと。ずっと一緒は我慢ならない。ならない。