<4286>「所感(520)」

 何かしらの領域において抜きん出てしまった場合、得られるのは栄華だけではない。

 

 その人が悪い人ではないのにとか、法律には違反していないのにとかは、あまり関係がない。

 

 普通に生きていれば突破しない、大概の人は突破しようと考えることすらない場所を、何らかの形で突破してしまう場合。

 

 それを何と明確に名指すことがまだできないのだが、ある種のブレーキ、ある種の人間であることの証明、要素みたいなものが、そこでごそっと抜け落ちてしまう。

 

 そしてその抜け落ちた場所に、突破した人間は、予期しないもの、期待しないものを、意図せず招び込んでしまう。

 

 あんなに素晴らしいのだから、素晴らしい領域で素晴らしいことだけをやっていればいいのに、と願うのは普通の心性だが。

 

 普通の心性を、最初から持ち合わせていなかったか、持ち合わせていたが捨てると決めてしまったか、やっているうちにどこかで落としてしまったか。

 

 以上のどれかでなければどこか遠くに到達することは不可能なので。

 

 素晴らしい側面だけで存在していてください、というのは、どうしても無理な話なのである。

 

 偉大過ぎる場合、人間のバランスはほとんど崩れている。