<4147>「この部屋は静かだな、なあ」

 なぜ、

 俺は不透明な空気の中を、

 イチニンソクで歩いている、

 甘くない、

 お前がこれから口にするものは、

 甘くない、

 ことごとく甘くない、

 私は、

 その足場で、

 気合いを入れる人間ではない、

 もう、

 そんなに愚かではない、、

 私は、

 冷酷になるのでもない、

 そこまで人間を、

 置き去りにしてすすむものではない、

 私は、

 すずしい風が通るのを、

 その肺で、

 しずかに受け取るものだ、

 あらゆることは起きる、

 私は、

 そこで揺らがないのではない、

 倒されないのではない、

 限界が来て、

 べそをかいて、

 死ぬのではない、

 なあ、

 ここは静かだな、

 お前が天秤に乗せているものは、なんだ、

 命か、

 いいや、

 命ではない、

 引き返せ、引き返せ、

 お前はまだ普通の人間のはずだ、

 という、

 無数の声だ、、

 お前は無数の声の泡たちの、

 只中にいる、

 山本陽子さん、

 私はあなたの作品ひとつ知らないと言い切ってもいい、

 それなのに、

 なぜあなたのことがそんなに気になるのでしょう、

 自分でも、訳の分からないものに、 

 一生をかけるというのも、

 変な話ですね、

 変な話でしょうか、

 おそらく違いますよね、

 私は家では酒を飲まないんですよ、

 代わりに何を飲んでいるんでしょう、、

 だんだん私は、

 表現をしてしか生きられないということに、ともなう、

 恥ずかしい気持ちがなくなってきました、

 無限回の、

 恥ずかしさをくぐったからでしょうか、、

 私は私に応えます・・・