<4091>「何もない人たちのための容れ物~『グランド・ブダペスト・ホテル』~」

 アマプラにて視聴。

filmarks.com

 

 ホテルって何で良いんだろう。

 

 それは多分生活、所帯の匂いとかがごっそりと落ちている場所で。

 

 かつ華やかで、空虚だからなんだろうな。

 

 この映画の語り手も作家なのだが、作家もホテルがよく似合う。

 

 生きている匂いがしないからだ。

 

 何にもない人たちのためにこそ、ホテルはある。

 

 

 何にもない人たちには、ハラハラドキドキの冒険がつきもので。

 

 というのも、生活にしっかり根を下ろせている人に、当然そんなものは必要ないからなのだが。

 

 命からがら生還しても、生還しなくても、別にそれでどうということはない。

 

 命のやり取りを毎秒必要とするのは、現実に対しては何にも感じられないからで。

 

 それが生き物でない人、何でもない人たちにはつきもので。

 

 我が家に帰り着いたと思っても、我が家はいつまでも生活の匂いがしない。

 

 だからホテルがよく似合うし、いつまでもそこに居る。

 

 伝説のロビーボーイ、物語の生き証人の名は「ゼロ」だ。