<3950>「所感(362)」

 ああ、私はもうどういう状況下に放り込まれても大丈夫だな。

 

 それを静かに確認できた瞬間、ものすごく楽になった。

 

 外は、嵐であることも止めなくとも。

 

 私は、凪のなかを行くのと同じように、この道を歩くことが出来る。

 

 それが分かった今日は、特別な一日だった。

 

 

 口では、理想的なことを言っていても。

 

 底の底の方で、私は成功するのがこわかったんだと思った。

 

 マンデラさんが、自分には計り知れない力がある、という事実を人は最も恐れている、というようなことを言ったらしい。

 

 上手く行く、なんでもできるって、こわい。

 

 嘘みたいだけど、吐くぐらいこわい。

 

 なんでだろう。

 

 自分が、能力がなくて、かわいそうで、弱くてって状況の方が、包まれてて安心するからだろうか。

 

 強く、何でもできる人間というのは、剥き出しの、吹きっさらしだ。

 

 それはおそろしい。

 

 おそろしいものは、実は一番欲しいもの。