<3929>「所感(352)」

 もの書く人間の、吉本さん言うところの毒が回り切る、じゃないけど。

 

 その、回り切った感じが、年々、というより日に日に強くなっているように思う。

 

 自分が自分を見て、こいつは誰なんだ、と思う。

 

 計画的に進む物事は、もう、私を呑み込んで、飛び越えてずんずん先へ行く。

 

 私は、私が作り出したものに、置いていかれている。

 

 人間も、生活と文とで二重になる。

 

 その境目は線が濃くなる。

 

 私はだから今どこにでも出られて。

 

 そのことにともなう感慨も特にない。

 

 私は、私より遠くへ、速く進む。

 

 色々なことを軌道に乗せられるようになった代わりに。

 

 人間の分裂という副作用をうける。

 

 何かを淡々と進めて、何かを達成しても、もう特に何も思わない。