人生は綱渡り。
それは危険なことに日々従事していようがいまいが、関係ない。
ここでいきなり終わっても、何もおかしくないんだな、という日々を皆生きている。
世の中的に成功を収めた人が。
自分は運が良かっただけ、と言っている場面を結構見かける。
昔は、そんな発言を、ただの謙遜、世の中の批判をかわすためだけのもの、としか見ていなかったんだけど。
最近になって、段々、あれは確かな実感なんだろうな、と思うようになってきている。
人間というこの、精神も肉体も脆い、弱い存在は。
いつでも簡単に終わる可能性を担いながら日々生きている。
歳を取ると、そういった場面をくぐり抜けてきた回数が自然と多くなる。
そうすると、どうしても自分が生きてこれたことの偶然性と。
途方もない運の良さに、思いを馳せざるをえなくなる。
ああ、本当に、運が良いという、ただその一点だけで、こんなに遠くまで来てしまった。
という感慨が強くなるのだ。
30代の私ですらそうだから、40代、50代、60代と、歳を重ねていればいるほど、もっとそれを強く感じていることだろう。
人生は綱渡り。
人間は、脆いゆえに、ただ生きているというその事実だけで、不安なんだ。
不安常住と、森田正馬さんは言う。
人間の当たり前のなかで生きていくこと。
生きていたら、ただそれだけで不安なんだ、ということを、ごまかさずに生きること。