<3812>「所感(294)」

 固執すべきは自我ではなく、手。

 

 吉本さんや吉増さんが手を強調すること。

 

 古井さんが、何もないところで書けという意味をまだ半端にしか分かってなかったなと思った。

 

 ただ意識をぼうっとさせる、何かが浮かんでいても浮かんでいなくても書く、ぐらいにしか考えていなかった。

 

 自分の自我、内的世界に固執しなければ、自分は書けなくなると思い込んでいたんだ。

 

 しかし、実際はそうではなくて、それらを手放しても、もう私は大丈夫。

 

 手で、ただ手で書けるところの入口にはもう来てる。

 

 だから、自我にしがみついていなくていいんだよ、と思った。

 

 

 仕事は、人間力が全的に問われている、と日々感じる。

 

 その感じも年々強まる。

 

 内的世界を大事に大事に守っていた頃は、良いところだけでなく、悪いところも、大事な私の一部だから絶対に明け渡せない、と思っていたけれど。

 

 もう大丈夫。

 

 良くないと思うところはすぐ変えようと思えるようになった。

 

 そこにこだわりはいらない。

 

 あなたが固執すべきは、具体的な、手。