金の話はできた方がいいなと思った。
自分が儲けるとか、上手くやるとか、そんなことは別に良くて。
単に、普通に世間の人と話をするとき、金に興味がこれっぽっちもないって人はとても少ないってことと。
そもそもが抽象的なものなので、どんな人にでも通じる共通言語たりえるってこととがあって、そう思った。
仕事上で、自分が工具を持つその持ち方持つ位置が変わったのを見留めて。
野球のグラブの使い方の変化などを思い起こしていた。
最初は、手にしっかりとはめ込むのが良くて。
これ以外のはめ方はありえない、ちょっと外し気味にして手先でぶらぶら遊ばせるような使い方なんか、慣れてる人なんかはやってるみたいだけど、あんなの使いにくくってしょうがねえじゃないの。
って最初は思ってたんだけど。
やっぱりグラブの扱いに慣れてくると、手先の方でぶらぶら遊ばすようなはめ方をした方が圧倒的に操作性が良くなって使いやすいってことに結局気がついていく。
しっかりはめてるのなんて不自由で仕方ないと、その頃には思うようになる。
手は長い時間をかけ、快適な場所を探し求め続けている。