<3777>「所感(278)」

 手入れが何故いいことなのかを改めて考えていた。

 

 第一に、汚いものに触れる。

 

 どうせまた汚れてしまうものに触れる。

 

 これらは、明確に苦痛であり、苦行である。

 

 ということは、手入れが習慣化でき、苦行にたいする処理力が上がれば、生活の全てをスムーズに回すことができるようになる。

 

 第二に、普段使う場所、ものによくさわるようになる。 

 

 すると、場所、ものとの付き合い方、使い方がよく分かってくる。

 

 その場そのものに私の方も馴染んでくる。

 

 その結果、その場そのもののことを好きになれる。

 

 好きになれれば苦痛、苦行味も緩和される。

 

 より手入れがしやすくなり、快適な環境が保たれる。

 

 と。

 

 私は森田正馬さんに多分に影響を受けている。

 

 毛虫は当然いやらしい、という、嫌なものは嫌と認めて嫌なまま処理しなさい、という教えを、今身体でも、徐々に受け取れるようになってきているのを感じている。