<3555>「所感(170)」

 相対化の渦にのまれると。

 

 移転が常に可能で、選択は無数で。

 

 繋がりや運命を言い伝え、強固にしてきたのは、相対化の渦の無限の深さ、それこそが厳しい真実だからなのだろう。

 

 運命と思ったものも。

 

 これだけは、と思ったものも、流れていく。

 

 だからあえて人間の有限を言い、運命を言い。

 

 そこに対して主体的なもの、意思を持ってくるのは大事だ。

 

 何度も何度も持ってくるのが大事だ。

 

 相対化の深い渦こそが真実なのだから、ただ巻き込まれて何にも決めないで行こうよ、別に良いよ、と思ってたのは昔。

 

 今は、何度も何度も流されても、そこに鋲を打つ。

 

 そうすることに決める。

 

 運命と思ったものも、流れていく。

 

 その絶望には、しかし少しだけ風が吹いている。

 

 次の拠点を定めるのに必要なだけの、少しの光が差している。