<3541>「所感(163)」

 歳を取っても別にメンタルが強くなる訳じゃないような気がしている。

 

 ただ、通った道が増えた結果として、初めてやることでも、どこかしらで何か似たようなことを経験したことがある、という事例が増えてきてて、あまり驚かなくなる。

 

 そうしてあまり揺さぶられなくなる。

 

 それはさびしいことでもあるかもしれないけど、楽なことでもある。

 

 若いときに同じことにぶつかってたら、心折れて今頃やめてるだろうな、と思うタイミングがしょっちゅうあるけど、今は何も思わない。

 

 こういうことってどこへ行っても起こるな、と気がつくだけ。

 

 これがあんまり行き過ぎて、何も揺さぶられない感動しない何をしても積み重ねていけばそこそこ上手くいくで、行き詰まるのが中年の壁なのかなあ。

 

 これはまだ分かんなくて、先取りして予想してみてるだけだけど。

 

 自分の予想の範囲外に出ることにぶつかりたくてあがくけど、予想外のことすら大体予想の範囲内に収まってしまう悲しさ。

 

 人間として完成に近づいている立派な証かもしれないけれど。

 

 もうざわざわしないことはすごく楽だけど。

 

 ないものねだりのさびしさ。

 

 というか本当はもう人生に上手く適合し出してて、さびしさすらあまり感じなくなってきている。