<3527>「所感(156)」

 毎日暇があれば散歩をするようなタイプではないのだけど。

 

 新しい場所に行ったり、ちょっとしかお世話にならない場所に行ったりして、ちょっと間で時間があるときは、出来るだけいろいろなところを歩いてみるようにしている。

 

 それは、自分と場所との関係をつけるためでもあるし。

 

 それは、もう人生で2度とここを歩くことがないかもしれないという意識を持ったりするためでもある。

 

 まあ人間が考えて、元々の野っぱらに社会を建設してく訳だから、どんな道もどっかに似た場所がある。以前通った他の道と重なる。

 

 今日は府中の辺りを訳あって歩いてたんだけど。

 

 大通りの交差点沿いにおっきな和菓子屋さんがあって、友達が横浜に住んでた時の家の近くの風景に似てるなと思ったり。

 

 住宅の並びに、急におっきな緑に囲われた公園が現れて、金沢の川沿いの公園のある風景と似てるなと思ったり。

 

 細かく山道を登りながら住宅の間を縫っていくのを地元松が谷の風景に重ねたりした。

 

 

 また、今まで見たどこにも似ていない風景もあって。

 

 一軒家のような建物が、三、四軒連なる。

 

 その並びに何かの工場もあって。

 

 食堂も備わっていて。

 

 その区画は他の風景からは隔てられて一種その塊だけで独立しているようだった。

 

 ここで生活も仕事もメシも、全てまかなっているようだ。

 

 家族経営のようなものだろうか。 

 

 

 長く歩くとき、前へ前へ行こうとすると焦りが出てくるし、わりかし疲れる。

 

 だから直近の、自分のちょい手前の地面を強くリズミカルに踏む、あるいは押すことを意識して歩く。

 

 これはYouTubeで、ダッシュの仕方を個人的に動画で学んでいたときに得た知識を、歩きにも応用したものだったりする。

 

 まあ、無痛という訳にも行かず、今日は結構歩き疲れて足裏が痛い。

 

 今日は早く寝ようか遅く寝ようか。

 

 明日の流れを見つめながら足踏みして歩幅を整える。