<3478>「所感(132)」

 今日は教習所のスケジュールの合間で、昔通ってた幼稚園に行ってきた。

 

 なんか、これは私だけの癖ではないのかもしれないけど、新しい職場に移ったり、新しい地域に引っ越したりするとき、過去私が存在していた場所を再び訪ねる癖がある。

 

 3年前くらい、これは地元から埼玉に引っ越すってなったとき、高校の通学路、八王子みなみ野辺りなんだけど、をひとりで歩いてゆっくり辿り直すということをした。

 

 

 やっぱり、自分の全部を投入していないつもりはつもりでも、職場とか、今住んでいる場所とかって、知らず知らずのうちに、自分を構成する大きな要素のひとつにまで、気がついたら育っていたりする。

 

 そういうところから、言わば根っこごと引き抜かれるような形で、新しい、まだ何の関わりも生まれていない場所へ、身体が移し替えられる訳だから、何も頼るものがないような感じで不安が大きかったりする。

 

 そういうとき、過去の、自分と関係が深い場所に戻り、実際に歩き直してみたりする行為って、ちょっと馬鹿にならないぐらい精神を安定させるのに役立ったりする。

 

 根っこはここにまだちょっと残っているよ、てなもんで。

 

 だから、多分今の馴染んだ場所も、しばらくしたら人生のどこかでまた歩き直しにきたりして、頼りにする場面が出てくるのかもしれない。

 

 そういう場所がまたひとつ私には増えたんだ、と考えると、さびしいだけじゃなく、頼もしいような気がする。

 

 実際に歩いて、通って関わったことって、それだけの重みがある。