ダメージをくらっていた。
職場との関係が切れ。
自動車の教習の序盤で体力と精神力をすり減らし。
生まれの地に戻って感情が揺れ動いていた。
くらいすぎて、普段そんなに寝れやしないのに、珍しく10時間ぐらい寝ていた。
全部ほぼ1日の間に起きた。
教習所が、たまたま最初に住んでいたアパートの近くで。
私はまだ物心つくかつかないかのこと。
しかし、頭のなかに映像や記憶が残っていて。
親に番地までは訊いていて、近くを歩くと、ひとつだけ心がざわざわするアパートがあった。
しかし思い違いかと、一度通り過ぎた。
親にその場で、アパートの名前まで訊いた。
訊いた上で、またさっきの、ざわざわとしたアパートの前まで戻ってきた。
その名前だった。
アパートが、そのまま残っていた。
記憶のままの形だが、しかしおそろしく小さかった。
私の記憶のなかでは、ここが、1番大きな家だったのだ。
物心つくかの頃に見上げていた建物だから、そう思うのも無理はない。
確か一番奥の棟の、一階に住んでいたはずだと訊いたら、果たしてそうだった。
幼馴染みの、同じアパートに住む女の子と、アパートの外か何かで遊んでいたのだろう。
すると、これもまた同じアパートの、若いお姉さんに2人して誘われ、家のなかに入って3人でお話していた。
しばらくして出ると、幼馴染みの女の子のお母さんが、自転車でアパートを出て左に折れていく背中が見えた。
2人して、どこに行くんだろうねえと見送っていた。
もちろん我々2人を探しに行っていたのだ。
その女の子は隣の棟に住んでいた。
お姉さんは? どこだったかそこまでは憶えていない。
大分回復した。
飯を食い、よく寝て、運動し、体力をつける。
危険な世界にどんどん入っていけるよう。
寝不足、体力不足は避けたいところ。