<3463>「所感(125)」

 ダメージをくらっていた。

 

 職場との関係が切れ。

 

 自動車の教習の序盤で体力と精神力をすり減らし。

 

 生まれの地に戻って感情が揺れ動いていた。

 

 くらいすぎて、普段そんなに寝れやしないのに、珍しく10時間ぐらい寝ていた。

 

 全部ほぼ1日の間に起きた。

 

 

 教習所が、たまたま最初に住んでいたアパートの近くで。

 

 私はまだ物心つくかつかないかのこと。

 

 しかし、頭のなかに映像や記憶が残っていて。

 

 親に番地までは訊いていて、近くを歩くと、ひとつだけ心がざわざわするアパートがあった。

 

 しかし思い違いかと、一度通り過ぎた。

 

 親にその場で、アパートの名前まで訊いた。

 

 訊いた上で、またさっきの、ざわざわとしたアパートの前まで戻ってきた。

 

 その名前だった。

 

 アパートが、そのまま残っていた。

 

 記憶のままの形だが、しかしおそろしく小さかった。

 

 私の記憶のなかでは、ここが、1番大きな家だったのだ。

 

 物心つくかの頃に見上げていた建物だから、そう思うのも無理はない。

 

 確か一番奥の棟の、一階に住んでいたはずだと訊いたら、果たしてそうだった。

 

 

 幼馴染みの、同じアパートに住む女の子と、アパートの外か何かで遊んでいたのだろう。

 

 すると、これもまた同じアパートの、若いお姉さんに2人して誘われ、家のなかに入って3人でお話していた。

 

 しばらくして出ると、幼馴染みの女の子のお母さんが、自転車でアパートを出て左に折れていく背中が見えた。

 

 2人して、どこに行くんだろうねえと見送っていた。

 

 もちろん我々2人を探しに行っていたのだ。

 

 その女の子は隣の棟に住んでいた。

 

 お姉さんは? どこだったかそこまでは憶えていない。

 

 

 大分回復した。

 

 飯を食い、よく寝て、運動し、体力をつける。

 

 危険な世界にどんどん入っていけるよう。

 

 寝不足、体力不足は避けたいところ。