<3453>「所感(121)」

 上手く喋れなくても、伝えたいことの全ては伝えきれなくても。

 

 人ひとりひとりとちゃんと向き合って別れることができるっていうのが、こんなに自分自身の生きる自信になるとは、それができるようになるまでは全く気がつかなかったことだった。

 

 スキルとか、成長しているとかだけではなく、こういうことも自分の自信を作ってくれるんだ。

 

 こういうふうに助けてくれたから、迎えてくれたからありがとう。

 

 こういうふうにしてくれて、とっても嬉しかった楽しかった。

 

 今この場所から、あなたから離れていくことがとってもさびしい。

 

 そういうことを、恥ずかしいまま、照れくさいまま、良いことばっか言って馬鹿じゃないのっていう自分のツッコミを聞き流したまま、まっすぐに伝えられるということが、いかに自分という人間を強くするか。

 

 そういうことに気がつかないできた人生だった。

 

 恥ずかしくて、辛すぎて試しにやってこなかったから。

 

 

 これだけさびしいって言葉をもらえたら、もう、良い意味でいろいろなことがどうでもよくなる。

 

 それは、やるべきことをやらないとか努力を放棄するとかいうことではなく。

 

 もう、変に拗ねて端の方で小さくなって自分の頭のなかのこだわりだけを大事に抱えていつか消え去ろうとしてた事とか、そういうことの全てが、もうどうでもよくなったのだ。

 

 私は生きられるだけ生きるだけ。

 

 生きていることがこんなにうれしくて、こんなにさびしいってことを、全身で感覚しながら生きるだけ。