<3423>「所感(106)」

 こいつは男じゃないから。

 

 人生のポイントポイントで、図ったように必ず言われるこの台詞。

 

 もう何年言われ続けてきているのだろう。

 

 つい最近までは、そう言われる理由が分からなかった。

 

 どう見ても男だし、女性に間違いようがないだろうと。

 

 でも、そういうことじゃないんだ。

 

 自分の軌跡を辿り直してようやく分かった。

 

 自分のなかの父親の部分を、一切拒否し、抑圧してきたからなのだ。

 

 そりゃ、言われる、こいつは男じゃないって。

 

 そういうものを、抹消してきたのだから。

 

 

 昨日も、まあ昨日だけじゃなくて、書いてて、自分のテーマが、内部に存在する暴力や加害性を、どう上手く組み込み直すか、というところへ来ているのだけど。

 

 暴力や加害性を、なきものにするのではなく。

 

 暴力や加害性と、切っても切れない関係にあるからこそ。

 

 そのコーティング。

 

 その提出の仕方。

 

 その使い方を極める、ということ。

 

 これ私の課題。

 

 ずっとずっと、あったけど目を背けてきた課題。