経験って本当に身になってるんだと驚く。
なあんだ、経験してみても、大したことなかったじゃないか。
別に自分っていう人間は、何も変わっていやしない。
と思っていても、ふと気がつくと。
もう過去の、それを経験しなかった自分には絶対に戻れなくなっている。
戻りたいとは思わないが、そうか、戻れないんだな、とは思う。
なんかの本で書いてあって、記憶が定かではないんだけど、勉強って、次々に自分が変更される感覚があって、これが大きな気持ちよさにも繋がるんだけど、時々、もうこれらを学ぶ前の自分を探そうと思っても、そんな自分はもうどこにもいなくなっていて、ぞっとすることがある。そういうこわさに耐える必要があると。勉強を続けるにはだな。そんなのをどこかで読んだんだ。憶えてなくて申し訳ない。
私はものすごいエネルギーで、死なない限り、とんでもない場所に到達することを確信している。
でも、この砂漠みたいな生活で、とんでもない場所にひとり到達することは、とってもおそろしいことでもある。
そういうこわさと、戦っていくことでもある。
ひとりの、世界一を目指す戦いには、そういうこわさがある。
こわさを自身に含んでいく。