あまり慣れてはいけないんだろうけれど、もうここへ居る時間も長くないんだろうな、と気づいたときの、その周囲全てがあまりにも美しい。
慣れてはいけないというのは、ひとところにとどまる癖がつかなくなるから、ということだが。
ひとところにとどまる癖はそもそもつけた方がいいのか、どうか。
本当のことを書く、というときこえはいいが、本当のことを書いていると、それは自分から離れ、質感も違ったものになる。
そうして、これだけ書き続けていると、本当の自分はどこなんだと問われても、そんなものはもうない、あるいは最初からないと応えるよりほかなく。
だから私は小さい頃から詩を書き、詩を書き続くのかもしれない。
本当の自分がいないことを確認するため。
本当に近かったことも、どんどん自分から離してしまうため。
本当の私はいない。
ただ、過剰な欲望、エネルギー、しつこさだけがある。