<3293>「所感(42)」

 私はひとりだ。

 

 しかし、現実は複数だ。

 

 その現実に沿って生きていると、私が複数であるように錯覚する。

 

 複数でないとおかしい。

 

 複数でないと、これらは無理なのではないかと感じる。

 

 そこで、事故が起こる。

 

 私の時間も、空間も、私の身体に縛られていることを知る。

 

 私はひとりだ。

 

 複数ではない。

 

 私は、自分が複数であることを当然のように考え、日々のなかに、様々な線を張っている。

 

 それは、通常上手く行く。

 

 それが、厄介だ。

 

 私はひとりだ。

 

 それに気づいたところでどうだろう。

 

 私はひとりだと考える方が無茶なような気がする。

 

 それは、私が元気だからだ。

 

 死や事故、病気は、その反対を知らせる。