<3079>「無人の私、後から来る氏名」

 静かな季節、

 目の前の白い、

 薄い、

 全ての時刻のため、

 あたしは形を変えている、、

 しらない、

 ものがまだ、

 私をしらないとき、既に、

 私は風景の一部に成っている、、

 雨が、

 しられたものを、

 全て動かし、、

 なぜか、

 硬直した、全ての時刻のために、、

 あなたはいくつものからだになる、、

 

 それぞれが、

 順番に声になっていくの、

 そうなの、

 あたし順番にきいていくの、、

 どれを求めて、

 あなたは来る、、

 あなたはしらないのに、、

 ここへ来て、、

 ものみな映る、

 ものみな慌ただしく、、

 私は、

 夜にむけてかえる、、

 すべてが止む、

 すべてがあなたと違い、、

 あなたがかえる、

 その道筋にひとりいる、、

 

 あたしは存在すべてで戸惑うだろう、、

 あなたを見ていると、

 私は生まれもしなかった過去を思い出す、、

 そのときの空気を感じる、

 無人の私は、、

 あなたに届けるべき風を、

 ほんのわずかに持っている、、

 それを渡すかどうか、

 少し迷っていた、、

 

 少しあなたは迷っていたな、

 私も何か声を掛けようとして、

 存在の裏を探したけれど、

 どこにも、

 その確かなものは見当たらなかった、、

 あの暗い、

 存在の初めの、

 なかにいて、、

 私は泣いてもいなかったこと、、

 じっと、

 その時刻に混ざっていたこと、

 あとから来る、

 あとからその氏名が・・・