<2206>「風に浮かぶ種」

 ものの音ひとつしない場所にいる、、

 糸、糸、、

 少し照らすと、

 身体には、そうした情報がある、、

 しかしいつもは箱、

 そこで、中空にいるだけ、、

 ここは、時間が流れなくなった場所なのか、、

 そうではないだろう、

 しかしひとりでこのなかで笑んで、、

 あとへ続く、、

 

 私はこの道を知っていて、、

 もう一度戻ってきても、

 そこはなにも変わっていないように見える、、

 なにか、当たり前にあり、

 ないと、なると、

 なにか、

 当たり前にないだけで、、

 それ以外ではないという気がする、、

 知っているものを、ずっと見ている、、

 私たち、こうして空間をお互いに確認したでしょう、

 ん、ん、、

 なんだかどうしても、、

 ここから離れるほかないという気がする、、

 私は種だから、

 風に浮かぶ種だから、、

 あちこちに流れ、

 流れることにより、、

 少しずつ生きていく、、

 身体の端から端まで、

 静かに空いている、

 さびしさはそのなかにあって少しの成分だ、、

 あたしは空白に乗り、、

 日のなかに、

 呼吸を増やしていく、、

 

 誰も生まれていないように夜は静かになり、

 私は息をする、、

 かつてあったものがない、、

 それも、

 この身体のなかに入った、

 ひとつの声として入った、、

 長いこと、見つめていた、、

 私が息をするころ、

 まだ、世界は生まれたばかりだった、、

 ここで、

 静かにすると決めたんですか、、

 いや、

 私は静かなんだよ、、

 だって、、

 ただ次々に生まれているだけだから、、

 それは、

 声を出すほどのことではないんだ、、

 見つめて、

 それで吸えば全部、、

 身体の記憶は全部、そこにある・・・