<1461>「四辺への当たり方」

 なるほどいつぞやからずっと先そうやって泡が立ってその最初の音、湧き上がりが、

 だんだん皮膚に、

 だんだん見事な伝いになって、、

 まず静かに外界に触れている、、

 外界に触れてきているのを、、

 肌となり、、

 感じていない訳にはいかない、

 

 空気が僅かにさわだって、、

 これはどこだどこだ当たる、当たるな、ただの肌に、、

 そうして、びんと線が走る、、

 線が走ったときに見える、、僅かな呼吸のあいだに、

 私が、なにかはうと生きていること、

 が、

 ささやかに続き、、

 方途、というものの、ものめずらしい、、

 この、身体に作られていく、、

 遠い湧き、遠いさわだちの、、

 身体への、当たりかた、、

 はう、はうと、、

 言いかた、

 

 私がそのさわだつなかへなぜかぐ、ぐ、ぐ、・・・、はうと言いながら傾いてくるのを、、

 しんとうち黙って四辺が、、

 四辺が、、私よりもずっと先に、、

 沈黙へ返っていて、、

 初めから、終いまで、、

 生まれてきたばかりのものは、

 えいと、あしにかかわらず、、

 ここらでさわだつのを避けるという為方がないから、、

 はう、はうと続く、、

 よくは分からないながら、

 身体は、そこへ、傾いてゆく、、

 そこへ、、

 

 そこの方で、、

 今だ、、今だ、巡れ、巡れ、、と、

 常から剥けて、、

 剥けたままのからっとしたありかたを、、

 思わず知らず語り出すにいたり、、

 その響きが、わん、わんと

 わん、わんとして、、

 また、小さな、水の底へ、

 ひとつの音のきっかけを、、

 黙って渡す、、

 

 おい、それ、、あたしが見知った、、

 驚嘆した、、

 あきれかえって嬉しくなっていた、

 声の、、

 かたまりのひとつの響きかた、、

 私が水の立つのを、、

 いわば、、

 なぜか、懐かしそうに見つめ返しているのもなにか、、