ポジティブ思考 ネガティブ思考 バランス・・・思考?

 物事を前向きに、楽観的にとらえる思考のことを、

「ポジティブ思考」

とここでは呼ぶことにし、反対に、物事を後ろ向きに、悲観的にとらえる思考のことを、

「ネガティブ思考」

と呼ぶこととする。

 そうすると、私は一体どちらにより当てはまるのであろうか。暫く考えてみたが、どちらにも当てはまるような感じがしない。私は、その時々でポジティブな思考を取ることも、ネガティブな思考を取ることもあるから、一概にどちらかとは言えないのだ。

 では、どんなときにポジティブ思考をとるのかというとそれは、置かれている状況が悲劇的なときであり、反対に、非常に望ましい状況に置かれているときには、ネガティブ思考を取っている。

 とすると私は、『精神にも恒常性維持機能があるような・・・』で書いたように、いわば、バランスを取ることを意識しながら思考を行っている、

「バランス思考」

型の人間であるということが言えるのかもしれない。悲劇的な状況に陥ったとしてもあまりへこみ過ぎないように、理想的な状況に身を置いているとしても、あまり調子に乗りすぎないように、ポジティブ思考とネガティブ思考を上手く使い分けているのかもしれない。

 しかし、

「バランス思考」

と言い切ってしまうことには若干の抵抗が自分の中にある。何故なら、例えば、悲劇的な状況に巻き込まれたときに、

「いや、まだ生きてるんだからそれだけで良かったじゃん」

というように、バランスをとるために浮かんでくる言葉は何か、

「思考以前のもの」

のような気がするからなのだ。

「バランス思考」

というと、何か私が、バランスを取るために意図して調整を行っているように思われるが、実情はそうではなく、ある種の反射のように、瞬間的に、ほぼ無意識のような形で、精神の方が勝手にバランスを取ろうとしてくれているように私は感じられるのだ。つまり、精神がひとりでに、

「バランスを志向」

しているように思われるのだ。

 そうすると私は、

「バランス思考型」

なのではなくて、物事に対する楽観も悲観もなく、そこのところのバランス調整は、精神にお任せしている、

「なすがまま思考(志向?)型」

人間なのかもしれない。