皆で守ろうと決めている家訓みたいなものも無ければ、縛りがそんなに激しい訳でもない家庭内で、比較的各々が自由に動いているように思えても、実は、お互いのリズムに、正確に言えば、
「リズムのずれ」
に、非常に影響されているのだなということをつくづく感じます。
「リズムのずれ」
によって自分の中に生じてくる気持ちは、嫌悪とも違いますし、不快とも微妙に異なり、何と言えば良いか、
「違和感」
と呼ぶより他にないといったものです。
例えば、私以外の家族が、今まで9時台にテレビドラマを日常的に見ていなかったのにも関わらず、急に最近見るようになったとして、私は、何かされた訳でもなし、またその時間に見たい番組がある訳でもないのに、何故か、
「なんでドラマ見てるの?」
と小言を言わなければ収まらないような気持ちになるのです。
おそらく、お互いに何も意識していないように思っていても、無意識下で、
「家族の生活スタイル・リズムはこうなのだ」
と規定し合っているのだと思います。ですから、そこで、勝手に自分の中で規定していた家族のリズムがいきなり破られると、嫌悪とも、不快とも言えぬ、
「ひっかかり」
が自分の中に生じるのでしょう。
他の例で言えば、私はあまり胃腸が強くないので、どうにかして負担を軽減したいと思っていると、
「人間は、食べ物を完全に消化するまでに18時間かかるから、食後18時間以内にまた食事を摂ると、内臓が休まらない」
という情報を得たので、夕食を終えてから18時間は食事をなるべく摂らないように注意して、そのために、必然的に1日1食程度に生活スタイルが変わっていったのですが、別に、今までより沢山食べるようになって迷惑をかけているというならともかく、今までより食べなくなったことに対しては迷惑などかけていないはずなのに、
「何で1食しか食べないの?」
と小言を言われることがありました。これも、私のリズムが変わったことについて、家族が何か「ひっかかり」を覚えたからだと言えるでしょう。