結局、いつが一番寒いんだ?

 毎年おんなじことをやって、毎年おんなじ後悔をしているのですが、それは、

「これからもっと寒い日が来るはずだから、今はまだストーブや暖房に当たらないでおこう。」

と思っているうちに冬が終わるというものです。

 別に、冬の間中、暖房やストーブに当たっていれば良いじゃない、と思われるかもしれませんが、のべつ当たっていたら、もう外に出るのが嫌になりますし、もっと寒い日が来たときに、これ以上どうやって防寒したら良いんだ、ということを考え出すと、やはり暖を取るのをためらってしまうのです。それでいつも、「この冬はどの日が一番寒かったんだ?」というのが分からないまま、暖房やストーブをつけずに冬が終わってしまいます。

 そして何より、暖を取らなくても意外と乗り切れるという事実が、暖房への道をさらに遠ざけてしまいます。どんなに寒くても、パパッと簡単な筋トレを始めれば、途端に身体がポカポカしてきますし、そうでなければ30~40分ほど散歩に出て帰ってくれば、それだけでもう充分身体は温かいのです。

 乗り切れるなら文句ないじゃないか、面倒な奴だなあと、またまた思われるかもしれません。お気持ちはよく分かります。ただ、冬の寒い日に家の中で、暖房やストーブの、あの不自然な暖かさを浴びて、幸せな気分に浸りたいのです。

「ああ、なんという、自然では得られない不自然な暖かさなんだ!」

と言って、部屋に寝転がりたいのです。

 しかし、その気持ちもある反面、「一番寒い日はいつかなあ?」と待っている楽しさというのもまた、同じぐらいあるんですね。もう、様々な思惑が交錯し合って、よく分からない状態になっています。

 それなら、毎年大体どの日が一番寒いのか調べて、その近辺に暖房をつければ良いじゃないとなるかもしれませんが、今回の冬がその統計通り行くとは限りませんし、もしかしたら2月より、3月の方が今年は寒いかもしれない、ということを考え出すと、もうダメです。

 こんなバカみたいなことをして、きっとまた今回の冬も、「いつが一番寒いんだ?」と思いながら、暖房やストーブに当たらずに過ごしていくような気がします。