成年と未成年の恋愛の可否

 例えば、40歳の男性と10歳の少女が、本気でお互いの事を好きだという状況があるとします。これが成人同士の話であれば、ほとんどの人が関係成就を邪魔しようとは思わないでしょうが、この事例のような場合、必ずしもそうすんなりとはいかないでしょう。まず、少女の親が関係成就を認めないのではないでしょうか。また、この話題が世間に知られるところとなれば、おそらく世間も黙ってはいないでしょう。

 しかし、たとい40歳の男性と10歳の少女であるからといって、本気で好きな者同士の二人を妨害する権利が周りにあるのかというのは、非常に怪しくて、微妙な所だと思います。仮にそれ(妨害すること)を国が、社会が許すからといって、親であれば妨害しても良いのかということにたいしては、疑問が私の中に残ります。

 おそらく、どんどん妨害して構わないという考えの根底には、40歳の男性と10歳の少女がお互いを好きになるなんて、何かが「おかしい」という偏見が既にあり、男性の方であれば性的倒錯、少女の方であれば、まだ良く分からないまま「好き」というのを勘違いしているのであろうという決めつけがあるのではないでしょうか。

 しかし、私たちが見落としているのは、

「社会的に、成人男性が好きになることを許される女性の年齢層というものに、私たちのような大多数の人々が偶然マッチしているだけ。」

という事実です。以前にもこのブログの中で言っているように、好悪というのは「感情」ですから、「理屈」のように一から組み立てて作り上げているのではない訳です。ただ心の動くままに相手を好きになっているだけなのです。つまり「社会的に許容される年齢層」を好きになっているのもただの偶然です。

 それにもかかわらず、マジョリティの感性から外れる、「社会的に許容されにくい年齢層(つまりは少女)」を好きになる男性たちを、

「性的倒錯だ」

と非難するのは全く的外れだと言えるでしょう。彼らも、大多数の人々と同様に、心の動くところに従っているだけなのですから。

 また、10歳の少女にたいして、

「好きというのがまだよくわからないんだろう。」

と決めつけるのも失礼な話です。生まれて間もない赤ん坊ならいざ知らず、10歳ともなれば、「好き」がどういうことかぐらいはちゃんと理解しているだろうと思います。