<2241>「生まれた人間は、呼吸を求める」

 知らぬ日に、

 身体が用意され、、

 どこへも、、

 存分に揺らいだあと、

 あなたは静かにはじまり、、

 その流れを見、、

 静かに声をかけ、、

 色のなかでぶつかる、

 こんなところまで生きてくるもの、

 あたしが肌を変えたあと、

 こんな方面までのびてくるものを、、

 まともに見つめている、

 確かな時間がありました、、

 

 あなたは驚いて、

 ここらへんで、振るっている、、

 いまやその通りに、

 身体を用意して、、

 次々に働きかけ、、

 あたしは細くなり、

 波のひとつひとつを見ている、、

 それぞれでこの香を受け、

 またその勢いのなかにはじまり、

 私は生まれると、、

 小さな方向をそのなかに持った、、

 あれ、

 まともにはじまっているのでしょう、、

 知っている場所から、

 あなたは出てきて、、

 ゆっくりと続く、、

 身体が今に見えている、、

 私はひとりで新しくなっている、、

 このさわぎのなかに生まれている、

 あるもの、

 先を見て、、

 しらずしらずはしゃいでいる、、

 

 この場所は何も音がしない、、

 まったくひとりで沈黙してしまう、

 帰る場所を失い、

 まっすぐに立っている人間、

 呼吸を求め、、

 あちらこちらを探している人間、、

 こういうものたちは、

 どこへ出たらいい、、

 困惑する、

 疲れて眠っている、、

 ここで声をさしたらいいと、、

 それぞれの言葉で生まれたらいいと、、

 静かな表情で伝え、、

 私は行く、

 私は何もないものに近づいていき、、

 まったくただの振動になり、

 ひとりひとりで驚き、、

 ああ、と呼吸を垂れている、、

 ああ、と今に、溝を垂れている、、

<2240>「まともに、生の、線が多く」

 醒めたばかりで、、

 うん、いまに、ひとつと、

 言う仕草、、

 あたしはその姿勢を持ち、、

 諸方へ揺らぎ、

 どうしても、当たり前に、

 この方向へ、帰って来てしまう、、

 その流れを経て、

 当たり前に、

 ここで生きてきてしまう、、

 その流れを、、

 身体にたっぷりと含んで、、

 生きて出てきてしまう、

 ひとつの姿としてありました、、

 

 揺らぐだけなのに、、

 私の生には、

 あまりに線が多く、、

 あまりに生命体が多く、

 ひとはそのなかで膨らみ、、

 ひとつひとつの身体のなかに、

 音をさせ、

 まともにつながり、、

 ここへ見えてくる、

 きこえたいだけきこえて、、

 ここへ、

 流れてくる、、

 そのものごとのなかに私も、

 続けて住んでいる、、

 あれ、

 印のなかに、ひとつ漏れて、、

 また始まる、、

 また始まることに対して、、

 からだは驚いている、

 通ったもののなかに、、

 いくつも私が用意され、、

 それを拾って歩く、

 明らかな、

 さわぎのなかに来て、、

 そのまま巡って揺れる、

 

 なにをたのみ、

 なにに揺らぎ、、

 あたしはこのなかへ来て、、

 そっくり生まれ、

 続く声の中に、、

 ひとつ、

 身体を用意して、、

 ものとものとのなかに、

 ひびき、

 しびれ、、

 あるあたりまえのつながりを届けたのだろう、、

 あたしは知り得、

 ものもあちこちに分かれて、

 そっと驚いているものなのだと、、

 ひとつで確認する・・・

<2239>「日々のなかでさびしいと、」

 なにがある、、

 辿りに、

 静かについて、

 ものは見事な身体を見せる、、

 なにかが印になり、

 ここへ始まっていることを、

 私は知る、、

 

 私は零です、

 と言っても、、

 自身で、

 少しもピン、と来ていないようで、、

 むしろ、

 この容器が確かになっていくのをただ感じる、、

 ただ振動して、

 私が育っていくのを感じる、、

 こんな流れのなかに、

 ひとつで生まれて、、

 それぞれの端に来ているところで、、

 私は知られ、、

 そのときどきで流れ、、

 あ、という、、

 確かな音が、、

 それぞれにのびる、、

 なんだかほうられて、、

 ちっとものびていないような、、

 現実は、この場所にとどまって、

 ちっとも進んでいないように思える、、

 そんなことはないので、、

 ここはとてもゆるやかに回転しているのであろうが、、

 あ、なんだ、、

 私は見事に回転した、、

 その月日にはじまりながら、

 からだが用意され、、

 それぞれを眺めながら、

 ここを理解する、、

 ここの膨らみを理解する、、

 あ、

 なんという始まりだろう、、

 こんなに振動してしまって、、

 日々に、つながる、、

 この道の、、

 

 身体のなかに、

 この道の情報が、、

 怪しげに生まれると、、

 うん、そうだ、、

 私はきこえて、

 これらはそこへもぐり、、

 手をし、、

 いくつもの流れのなかに、

 置いてきて、

 出来ないのではなく、

 ただ、さびしいのだと、、

 そう感じた、、

 そう考えて、間違いないと思った、、

<2238>「もののはずむ先」

 確かに、

 このハに、、

 揺れて来たか、、

 あたしはこの空間の、なかに、、

 置かれて、

 ふいに、、

 声を出したくなった、、

 からだのなかに生まれた、、

 ものがある、、

 はずみで時刻に、

 ふれているだけだとして、、

 あなたはこの領界内にいて、、

 こちらへ向けて声を、、

 そう、声をする、、

 

 段々と、

 それぞれ、、

 うん、

 私の身体になってくる、、

 まっすぐ見ていると、

 それら、

 私のなかに入ってくる、、

 ものの振動だから、、

 それらは見事で、

 どこへも正確に、、

 出てくること、

 あたしは辺りを確かめる、、

 どこかから揺らいで、

 ひとつの時間が去ったものとして、、

 私はここを摑む、、

 あるときは砂、、

 あるときは柔らかいこな、、

 うん、、

 ひたすらに渦が巻くものと、、

 この光景を確かめて思う、

 あいだに始まる、、

 その過ぎ端の有り様が、、

 ここに始まる、、

 私は知ります、

 うん、、

 

 なにかあつい、、

 なにか湿る、、

 私は過ぎて、、

 それぞれの、なかに揃い、、

 時刻にいて、、

 ひとつ泡立ち、

 ひとつで流れ、、

 ものの語り、

 ものの隙間にあなたなどがいると、、

 私はひとりで驚く、、

 ここまでよく見えるものなのか、、

 同じ身体なのに?

 いまに続く私なのに、、

 なんだか、、

 節のひとつひとつが確かだ・・・

<2237>「水はぬるく、振動に混じれる」

 なにようだろう、、

 どれ、

 それぞれの、、

 まったくしらないところから、、

 これは見えてしまう、、

 私のなかにどうにも出てきてしまう、、

 それぞれが回転し、

 浮かぶだけ、、

 受けるだけ、の、、

 仕草のかたまりに、、

 ひとつで入る、、

 ひとつで染みる、、

 このもののあいだに、

 ひどく潜って、、

 

 あたしは平らな所、、

 ものに姿をとらせ、

 続々と浮かぶところ、、

 呼吸もなにも、

 この地面には、

 あったものではないが、、

 ひとり続き、

 ひとりはりつき、、

 今のなかに来る、

 あ、

 来た、、

 また来た、

 振動です、、

 あなたが渡しているにちがいない、、

 その視線の分も、、

 もらいうける、、

 簡単な挨拶、、

 簡単な流れ、、

 今もそのなかにありながら、、

 どこへ誘う、、

 ひとはきはどいところへ、

 しらずしらず来て、、

 水がただなまぬるく、、

 私を待っている、、

 私は来た、、

 風に、声に、、

 まだ印を感じる、、

 あ、

 この声です、、

 この心ですと、

 ひとり伝える、、

 

 あたりまえに、

 振動のなかにまじって、、

 あなたはどこまでもゆく、、

 どこから来てもいい、

 私は疲れていた、、

 それは、解消される、

 ここで、それを見ている、、

 ものを見て、、

 それから潤んでくる・・・

<2236>「私が欲しいのは」

 私が欲しいのは、

 それがのちに夢に変わる時間で

 私が欲しいのは、

 現実の隙間、

 こんな場所で生きていたとは思えないところ、

 私が欲しいのは、

 ただの柔らかい風で、

 この風があれば

 もう人の呼吸は聞こえなくてもいい、

 この風があれば、

 私は半分、

 生きていなくてもいい

 私はその半分、

 生きていなくてもいい

 私が欲しいのは、

 その風があるところ

<2235>「名前のない男は」

 名前のない男の人は、

 物語を失って

 どこから来たろう。

 ここでも当たり前に、

 全ての人と過ごした。

 永久に名前を失ったまま

 全ての人と過ごした。

 それは私も知っている季節に違いない。

 けれど、

 あなたは名前を失って、

 故郷から漏れてきた。

 から、から、から、

 私は、かわいた響きのなかで、

 あなたの時間を受け取る。

 うん、

 あなたは生きそうだ、

 私は声を掛ける。

 だから、

 さびしい笑みを返してください。

 端の端の、そのまた端へ来ましたね。

 あなたは同じ目をするのでわかります。

 あなたは同じ呼吸を持つのでわかります。

 あなたは全ての人のように静かだからわかります。